平成15年度 北海道高等学校教育研究会情報部会  収録
○基調講演          講演のDOCファイルを準備中です

 「勇気と元気が出る情報の授業」                       岩手県立大学 鈴木 克明 氏

  高校の教科情報には「IT市民」を育てることと、「IT技術者」を育てることの2つの側面があり、
 それらは明確に区別して解釈する必要がある。普通教科情報の使命はIT市民の育成であり、ITにより
 豊かな学びのチャンスがもたらされるようにすることが大切である。
  授業づくりで特に大切なことは、教師の生徒に対する要求水準(評価基準)をあらかじめ示しておくこと
 である。授業の冒頭で生徒が評価基準を知った上で、やりたいことやこだわりたいことに柔軟に取り組め
 るような課題を与えることが必要である。
  また、教師は生徒とのやりとりの中で予想外に展開する授業をシャットアウトするのではなく、その中から
 学ぶ楽しさを生徒と一緒になって追求していくことで、元気が出る情報の授業となる。




○研究発表

1 「情報教育の施策ついて」                        札幌稲西高校 長尾 嘉雄 教諭

  情報科の教員は教科で扱っているものの特殊性から、本来の業務に加えて校内LANの管理など
 SE的な仕事をせざるを得ない立場に置かれることが多い。そしてこれらは、校内の殆どすべての業務に
 関わっていることから、その負担はかなり大きなものとなっているのが現状である。
  これらの軽減のために、何かしら方法・工夫はないものかを調査し、ハード面、ソフト面からまとめたも
 のを発表。


2 「校内イントラネットによるインターラクティブな授業」         札幌稲北高校  加藤  誠 教諭

  ディジタルコンテンツとしてはパワーポイント等が一般的であるが、双方向性という切り口で見直せば、
 情報の流れが一方向であるものが殆どである。
  Webを利用すれば、生徒と教師間、生徒間での双方向性をもった授業が可能となり、知識伝達型から
 知識共有型への授業改善がなされる。さらに、インターネットによる外部からの情報を加えれば、
 教師・生徒だけの小さく閉じた集団の価値観だけではなく、外部の価値観を加えることになり、さらに
 学習が深まっていく。
  IT市民の育成という観点で授業を行う中から見えてきたことを実際の授業実践から発表。


3  「実習作品の生徒相互による評価の試み」             岩見沢東高校  高木 昭信 教諭

  試みとして行ったアニメーションGIFの制作・発表の授業が、生徒の意欲・工夫を引き出し、生徒に
 とって、楽しく・面白く、さらに生徒間の連携も作るような授業となった。
  教材の楽しさに加えて、評価の項目・配分時間を予め生徒に提示することにより、生徒たちは意欲
 的に 取り組み、自ら工夫を凝らし、お互いに情報交換しながら作品を制作していた。作品発表会では
 自分の作品の説明をし、他の生徒からの評価を受け入れていた。
  さらに自己評価を行わせてみると、生徒の自己評価が予想以上に正当なものであり、そこから授業
 自体の評価をも得ることができた。
  生徒の生き生きとした姿をビデオで上映しながらの実践発表。あわせて評価基準を生徒の実態に
 合わせて設け、観点別評価を行った具体例についても発表された。