平成27(2015)年度研究テーマ趣旨説明文

 私たちは、情報科が授業に求める内容と方法を探求し、今とこれからを生きる生徒が身に付けていなければならない資質と能力を育むために、これまで研究を積み重ねてきました。毎年具体的な研究テーマを掲げて研鑽と研修を重ね、工夫を重ねて作り出した授業を共有し、効果的であると考えられる学習活動を展開するところまで、少しずつ段階的にではありますが進んできました。

 しかしだからこそ、ここで一度立ち止まって考えてみることが必要です。果たしてこのような授業によって、生徒に対してどれだけのことを学ばせることができているのだろうかと。創った授業がたとえ、情報科の目標を的確に把握したつもりであり、その達成のためにどれだけの精力を向けていようとも、その結果としての成果を客観的にかつ確実に検証できていなければ、学習活動としてさらに次のステップに進むことができないことには疑う余地もありません。

 世の中の移り変わりがますます目まぐるしくなっている現在、不易と流行という考え方の重要性もそれに比例するかのように増してきているように思えます。今年11月20日に文部科学省が次期学習指導要領について中央教育審議会へ諮問を行いました。そこに見える流行は、これまで以上の大きな衝撃となって私たちの教育活動に影響を与えるであろうことには疑いの余地がありません。このような状況の中で、情報科としての不易の部分をいったいどの辺りに見出せばよいのでしょうか。

 情報科は生まれて以来、3つ目の学習指導要領を経験することになります。三段跳びに例えると次の改訂はジャンプにあたり、大きな飛躍の段階となるでしょう。ここで私たちが、社会が劇的な変化をこのまま継続したとしても情報科としての不易の部分をしっかりと押さえ込んでいなければ、情報科は時代の流れに翻弄されて、教科としての存在意義を失うことにさえなりかねません。どのような社会になったとしても、その社会の有り様を的確に見据えてよりよい世界になるよう貢献することができる、そしてそのためのものの見方や考え方、さまざまな能力やスキルを養う、そこに情報科の不易を見出すべきなのではないでしょうか。

 こうして私たちは、授業のあり方についてあらためて振り返るところに来ていることに気付かなければなりません。これまで研究し実践してきた学習活動を、それが不易な要素を必要十分にして包含しているのかと検証することが求められているのです。そして、その検証の根拠となるのが評価という活動です。学習活動の中で適宜行われる形成的評価、まとめの段階に行われる総括的評価、そして忘れてはならないのが、授業そのものを改善するための評価です。

 評価は、その拠り所となる学習目標が明確でなければ、適切に行うことができないのは自明なことです。そして、その学習目標からの必然として一つ一つの学習活動がデザインされていなければ、細やかな形成的な評価も不可能です。さらに、そうした細々とした学習活動に学習目標を結びつけるためには、学習目標を様々な方向から解釈して細分化することが必要となります。そのようにして学習目標を解釈した結果が、いわゆる評価の観点であり、それは自然の流れとして観点別評価へと繋がるのです。

 観点別評価は、ことさら難しいものではありません。むしろ、観点の適切な設定と評価の方法に慣れてしまえば、これほど無理のない評価の方法は現時点ではないのではないかとさえ思えます。だからといって、最初からごりごりと観点別評価を厳密に行おうとすることには無理も生じます。今ある評価を少しでも効果的に、そして適切なものにするために、学習目標を実現するためのさまざまな観点を明確にかつ具体的に設定することをやってみましょう。今度は納得の評価に向けて、みんなで一緒に一歩を踏み出してみませんか。

 以上を研究テーマ設定の趣旨として、平成27(2015)年度を次のように提案します。

生徒も先生も、みんなが幸せになれる評価の研究 〜「やらなければならない」から「やると楽しい」への移行〜


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Last-modified: 2015-07-10 (金) 17:17:58 (1857d)