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学習指導要領の改訂に伴い、情報科の必履修科目が「情報�機廚謀�合されることは私たち情報科教員にとって大きな変化であり、これに順応することは容易ではありません。特に情報の科学的な理解への比重が高まることには大きな混乱があることが予想され、個々の情報科教員のスキルアップだけでは対応できないことが危惧されています。
また、少子高齢化や産業の情報化に伴う社会構造の変化に急激に対応することを否応なしに求められています。生徒の情報活用能力や問題解決能力を育成するという本来の情報科の目的は、産業を支える情報活用スキルを持つ人材を育成することと同レベルで語られるようになり、いつのまにかそれらが混同されている感を強く持ちます。順序だった計画や担当教員の育成の具体案が示されることもなく、2025年度以降の共通試験に情報科目が採択されたことも無関係ではないでしょう。
さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響も計り知れません。情報科の授業のみならず、対面のコミュニケーションとネットワークを活用した端末越しのコミュニケーションはバランスよく活用することが理想であったはずですが、状況によってはその全てをネットワークによる遠隔コミュニケーションで運営することを余儀なくされました。この状況は世界中で起こっていることで、どのように収束するのかも予測することができません。
昨今のこうした状況は、私たち情報科が体験した最大の苦難であり、激動・混沌の中で多くの教員が戸惑い、思考が停止するような心境に陥っているのではないでしょうか。
私たち高教研情報部会は令和２年度について、北海道情報科アンケート以外の予定されていた全ての活動を実施することができませんでした。もちろん平成14年に情報部会が発足して以来、初めての事態です。『とにかく何かをやろう！（はじめよう！）』を理念としてきた私たちにとって、まさに断腸の思いでした。
一方でこの時間は立ち止まって冷静に過去を振り返り、今後なすべきことをじっくり考え、まとめるには十分なモラトリアムともなりました。情報科教員アンケートの分析やさまざまな地域の情報科教員の話を総合すると、北海道の多くの情報科教員が今求めていること（困っていること）として、以下の２点があげられます。
一つは「情報�機廚紡弍�するために『情報の科学的な理解』に関するスキルを身につけることです。
中でもプログラミングに対する要求が強いことが分かっています。プログラミングを自分自身が学び、教える機会を持つこと、良質な教材を知り、自分自身で作成する機会を得ることを求めていることが窺えます。
もう一つはクラウド型サービスを校内の学習活動に活用するスキルを身につけることです。
国によるGIGAスクール構想の推進によって、Google WorkspaceやOffice365に代表されるネットワークを活用したクラウド型サービスの高等学校への普及も急速に進んでいます。情報共有の活性化という最大のメリットを学校運営や学習活動に生かす具体的な方法や先進的な事例を体験したいという要望が多くなっています。
情報科をとりまく多くの課題にできるだけ対応しながら、本年度の情報部会はこの２点について、重点的にワークショップや研究会を開催し、研究を進めていきたいと考えています。
昨年度のテーマ説明文の中で、今私たちに必要なのは、前に踏み出す勇気とオープンマインドであり、それこそが私たちが子どもたちに伝えたい学びに対する姿勢なのだと主張しました。このことを胸に、一歩前に進み出したいと考えています。
以上を提案趣旨として、令和３（２０２１）年度の研究テーマを次のように示します。
