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高校において教科「情報」の指導が始まったのは平成15年でした。その後、選択必履修科目から必履修科目へと扱いが変わり、22年を経て令和7年の大学入学共通テストでは、いよいよ「情報」が出題されることになりました。このことは「情報�機廚膿箸防佞韻臣亮韻篁弭洋呂覆匹�、大学教育を受けるために必要な基礎的な能力として認められ、また求められているということです。事実、多くの国立大学の入学試験で情報の受験が必須になります。
さらに、「平成30年度告示学習指導要領」の総説には改訂の経緯としてAIやSociety5.0などによる時代の変化があげられています。最近では生成AIが広く利用されるようになりつつあり、時代の変化は私たちの想像以上に急速に進むかもしれません。これからの社会や生活が大きく変化する中でよりよく生きるためにも、高校で学ぶ「情報」の重要性がますます大きくなると考えられます。
ところで、令和4年度の入学生から観点別学習状況の評価を指導要録に記載することとなり、これを受けて私たちは評価方法の工夫・改善に取り組んでいるところです。国立教育政策研究所の「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」の学習評価の改善の基本的な方向性には、「児童生徒の学習改善につながるものにしていくこと」、「教師の指導改善につながるものにしていくこと」などと記述されています。評価には総括的評価と形成的評価があることは私たちのよく知るところですが、総括的評価としての単元や学期、年度の終わりに行う観点別学習状況の評価については定着しつつあるというのが現状かと思われます。しかし評価方法や学習内容がめまぐるしく変化してそれらの対応に追われてしまっているいま、指導や学習へフィードバックを目的とした形成的評価をしっかりと活かしきれているでしょうか。生徒一人ひとりについて、「何がわかりできる」のか、または「何がわからずできない」のか。さらにその結果から「自らの指導内容や方法が適切かどうかを評価できている」のか。形成的評価により、生徒一人ひとりに応じた学習の指導や支援を行うとともに、生徒の理解度などが不十分と判断される指導内容や指導方法があるならば、それらを見直して授業の改善に取り組むことこそが、生徒の知識や思考力などを確実に伸ばし、大学入学共通テスト「情報�機廚悗糧�えにも直結するはずです。
もちろん、私たちは普段の授業のなかで授業や単元の終わりの小テストや振り返り、定期考査での理解不十分だった問題の確認などを行っています。授業で指導しておわりではなく生徒が学習内容をしっかりと身につけたかどうかを確認し、不十分と判断されるときには何らかの手立てを講じて支援してきました。しかし、冒頭に述べたように、大学入学共通テストで「情報�機廚�出題されることもあり、授業において生徒の知識や思考力をより深める責任を果たすことが求められます。これに対応するには、いままで当たり前に行って十分だと思っている総括的評価、形成的評価をも見直したうえでの評価と授業の一体化による授業デザインが必要あり、なかでも形成的評価について見つめ直すことが必須といえるのではないでしょうか。
生徒たちが高校で身につける情報に関する知識や思考力は、大学入学共通テストのためだけでなく、日常生活でも活かされる不可欠なものです。これからの情報社会をよりよく生きていくために、そしてそこから一人も取り残さないために、授業の工夫・改善を目指して今年度のテーマを次のとおりとします。
「形成的評価を活用して知識を深めて思考力を鍛える」
