研究テーマとその考え方

研究テーマ2.0とその考え方について

以下の文書は、平成20(2008)年度からの研究テーマについて、その設定の理由から記述してあります。趣旨とその流れをご理解頂ければ幸いです。


 これまで情報部会では、研究テーマを「前年度と同じ」とはしてきませんでした。常に進化進歩を続ける情報技術と、それらを基盤として変化していく社会を把握していくためには、前年と同じことを繰り返しているわけにはいかないからです。常に前に進む部会として、これからもぜひこの方向性を維持していきたいものだと考えます。また、これまで継続的に書き加えてきた研究テーマのページから、新たなページを興しました。その意図は、情報部会が次のステージに入ったことを会員の皆様と共有したかったからです。このページが前回のもの以上の内容で次の世代にリレーできれば幸いです。ご協力をよろしくお願いいたします。

平成20(2008)年度

	今、求められている学力とは 〜情報科が育む学ぶ力〜

 19年度までの研究テーマにおけるフォーマットを用いれば、

    今、求められている学力とは
     (情報科が育む学ぶ力)

とサブタイトルが(  )づけになります。 研究のあり方については、過去の活動の中で、スパイラルに段階を踏みながら着実に歩みを進めていると考えます。そして、その歩みは、第2ステージに入ってきているのではという意見が役員間ではありました。そこで、研究テーマのフォーマットも変えてみました。これで、スパイラルな歩みが2巡目に入ったということが伝わるでしょうか。

 では、以下が設定理由です。

19年度のテーマ説明の中に、
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 情報という教科が何を求められているかを私たち自身がきちんと受け止め、
 どのような形で子どもたちに向けて与えていくことができるか。

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というコメントがあります。

 これを受け、20年度では、今まで情報科の教諭も含め、世間に漠然と考え受け止められている教科「情報」に求められているものを互いに確認しあう機会を設けたいと考えます。では、なぜ確認し合う機会が必要なのか?
 役員の間ではその必要性について次のように考えました。

 多くの情報科教諭が、評価に関する検証をする以前に、

  • 学習内容や教材といった根本的な部分で悩んでいる。
  • 情報機器、コミュニケーションツール、アプリケーションの進化についていけない。

 そのため、先行的に研究を進めている「高教研情報部会」への敷居の高さを感じている。だから、高教研への参加に二の足を踏んでいる。
 では、会員の皆様が参加したくなるような、さらにやる気を奮い立たせる方法はないかと考えました。
 その答えは、
「初歩的なステップについても常にフォローしていく姿勢を示す。」ということです。
 では、「初歩的」なこととは何でしょうか。
 それは、「何を生徒に身につけさせたいのか。」ということだと思います。そのために、教科「情報」に求められているものを互いに確認しあう機会が必要なのだと思います。

 青山学院大学文学部教授・eラーニング人材育成研究センター長 佐伯 胖先生は、「新・コンピュータと教育」岩波新書で次のように述べています。
 コンピュータ教育を考える際に、「コンピュータの導入で教育がどう変わるか」という議論が多いが、これはそもそもおかしい。これでは、教育というものがテクノロジーにあわせていろいろ変化するということが前提になっている。しかし、筆者が提唱したいことは、そもそもテクノロジーに教育を適合させることを考えるべきではなく、教育にテクノロジーを合わせるべきだということである。つまり、「コンピュータやインターネットを教育にどう活用し、どう教えるか」という観点からコンピュータ教育を考えるのではなく、まず、「現代社会において、教育はどうあるべきか」という観点から出発し、そこにコンピュータがどのような形で貢献できるかを考えるのである。
 このような「教育はどうあるべきか」からテクノロジー(コンピュータを含む)を考えるためには次のような段階を経る必要がある。まず、第一に、人間教育の本来の在り方を中心に据えて、現状の教育を批判し、それを「変わるべきもの」として捉える。第二に、テクノロジーの在り方についても、「たえず、変更していかねばならないもの」とする。そして、第三に、テクノロジー(コンピュータを含む)を「あるべき教育」の実現を支援するべく、開発し活用して行くための道をさぐる。

 第2ステージの幕開けに際し、我々ができることは何か?一緒に考えてみませんか。
 そして、19年度は第2ステージへのプロローグです。多くの先生方の高教研情報部会への参加をお待ちしています。