研究テーマとその考え方

令和元(2019)年度研究テーマ趣旨説明文

研究テーマを提案するための前提として、2022 年に完全実施を迎える学習指導要領の意図を、解説情報編を基にして確認します。
総説では、「生きる力」がより具体的に、教育課程の全体を通して育成する資質・能力とされ、次の 3 つの柱に再整理されています。
1) 知識・技能の習得
2) 思考力・判断力・表現力等の育成
3) 学びに向かう力・人間性等の涵養

いわゆる「主体的・対話的で深い学び」は、これらを育成するための授業改善の方法論です。そして、情報に関する科学的な見方や考え方を働かせてさまざまな問題の発見や解決に生かすことは、この「深い学び」を実現するためには特に重要であるとしています。
各科目の「内容とその取り扱い」では、具体的な学習活動のイメージを助けるような記述を期待するところなのですが、少なからずの混乱を覚えるかもしれません。その理由には、これまでの学習内容がさらに深まり、さらに多岐に広がったことがあると考えられます。情報社会から強く求められるようになったいわゆる「データサイエンス」を導入することによって、この流れが加速しているのでしょう。特に必履修である「情報機廚任蓮現行の「情報の科学」 を基本として「プログラミング」を重視し、さらには「情報デザイン」を指導内容に加えています。

さらに、このような指導内容だけにとどまらず、指導の目標を「知識、技能」「思考力、判断力、表現力等」といった観点から示しています。
確かに目標と評価は一体的に考えるべきですから、評価を観点別に行う以上は、目標も観点を絞って考えるこ とは自然なのかもしれません。しかしながら、こうした記述そのものが熟れていないこともあり、観点それぞれの差異を読み取るのは困難であると言わざるをえません。この状況に対処するためには、これまでの観点別評価の考え方をさらに進化させながら、学習指導の目標を評価の観点から常に確認し続けていくべきなのでしょう。

ここまで見てきたように、先進性を求めるが故に不安や戸惑いを抱かせる新学習指導要領ですが、私たちはここで手をこまねいているわけにはいきません。
「問題を主体的に発見し明確化し、解決策を考える活動」は、何も生徒たちだけが取り組むべきものではありません。ときには協力しながら主体的に、問題を探究する、解決策を探り試す、結果を評価する、そしてさらに向上を目指す。このような問題解決の活動を、学びのメカニズムとして全ての授業に意図的に取り込むことはもちろん、私たち自身が授業改善の活動の中で取り組むことが求められます。

新しい学習指導要領は私たちに、問題解決を中心とした学びにアプローチするための「学びの工夫」を求めています。蓄積してきた教材や実践を財産にして、新しいアプローチに挑戦し、蓄積したアイディアや実践を共有したりする。私たちにとってこうしたことは、これまでも求められていたし、これまでも行ってきたことです。
ただその目的が、学びの定義が学習改善の方法論の中で明確になったことを踏まえて、もっと意識的にその本質に迫る必要性があるということです。

以上を平成 31(2019)年度の研究テーマの趣旨として、次のように提案します。

「私たちにとっての問題解決」(授業改善の質的転換への挑戦)


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Last-modified: 2019-06-24 (月) 21:47:24 (411d)